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いざ顔合わせ~初舞台稽古スタート

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初舞台に胸躍らせながら、そして緊張しながら顔合わせに向かう僕。ちなみにこの初舞台、なぜ僕がオーディションもなく出演することが決まったかといいますと、業界用語で言う「バーター」です。なぜか一般の方たちにも浸透しつつあるこの用語。意味としては、すごく簡潔に言うと「先輩のおこぼれをもらう」といった感じでしょうか。「知名度や人気のある役者にオファーが来る→じゃあ○○を出演させますよ、その代わりにうちの若い役者も一緒に使って下さいよ。」的な流れが一般的なバーターの流れです。もちろん後輩が売れている場合は後輩のバーターで先輩が出ることもあります。この時は先輩のプライドが傷つくとかつかないとか・・・。ちなみにこれはアーティストの世界にも芸人さんの世界にも共通してあります。大手事務所が強いのはこういったことからもあります。売り出したい子を連ドラに出すのは昔はほぼこのパターンです。ただ1つ言っておきたいのは、大手事務所だから売れてるんだなんて愚痴を溢す人をたくさん見てきましたが、大手が売り出そうとする若い子なんて基本的にめちゃくちゃ輝いてますからね。大手の中で抜きんでるってそれはすごく大変なことですから。お芝居が上手いかは別だけれども。余談ですが黒夢の曲で「BARTER」っていう日本の芸能界を皮肉った歌があるのであるので興味のある方はぜひ。清春さん尖りまくってます。

さて、僕は誰のバーターだったかというと、事務所の先輩であるF君のバーターだったのです。このF君、もともと大手J事務所ですごく有名でした。僕は15歳ぐらいからこのF君をテレビでずっと見てまして。所属してる事務所にはジュノンボーイもいたのですが、このF君の知名度の方が当時はバリバリ上でした。事務所に遊びに行くうちにこのF君とも何度もお会いして話す関係にならせて頂いていたのですが、正直最初は緊張して仕方なかったですね(笑)初めてちゃんと話した芸能人が僕にとってF君だったわけですから。初対面の時「うわーすごい、Fくんだ~」と思ったのを覚えています。年齢は彼の方が下なんだけれども、もちろん芸能界の大先輩です。そしてこのF君、本当にいい人で僕は何年もずっと良くしてもらってとてもお世話になりました。このF君がいるっていうのも嬉しかった初舞台でした。

顔合わせの場所はどこだったかなぁ、森下だったかなぁ。この顔合わせで僕は驚愕の事実を知ることになるのです。そんなたいしたことではないんだけど、もともと役名のある役を頂いていて、まあもちろんそんな出番の多い役ではないんですが、その役に加えて少しの出番の役を5役ぐらいやるように言われたんですね。少しの出番と言ってもそれぞれすべてセリフはあって。それを顔合わせの時に言われてすぐ本読みですからね、そりゃあテンパりますよ初舞台の僕は(笑)すごい覚えてるのは女性マネージャーMさんが本読みの前にミネラルウォーター渡してくれて。なんだかすごい嬉しかったんですよね、心細かったし緊張してるし。この舞台は劇団の10周年か20周年とかの記念公演みたいな作品で僕は客演という立場なんですが、F君も以前この劇団の舞台出たことあるし基本的に劇団員の人達と今まで客演で出たことのある人達ばっかりで、なんかみんな知り合いな感じなのがまたびっくりしました。アウェーだぁって思ってたんですが、ここでもF君に助けられて。いろいろ紹介してくれたり誘ってくれたり。当時僕すごく人見知りだったので。

そうそう、人見知りって治りますからね?Mマネージャーに僕はこの人見知りな部分をずっと怒られ続けていて「人見知りってただの言い訳だからね?それは相手に対して不親切なだけだからね?」と言われ続けいつのまにか克服できていました。本当にMマネージャーには感謝です。あと、事務所に入って間もない頃、F君の出演している舞台をMマネージャーと観に行くことになってて、1度事務所に行って一緒に出掛けようとしたら、経理のRさん(この人も厳しいけどいい人だった)が、「せっかくだから差し入れ買ってけば?喜ぶよ」って言ってくれて、「なるほど確かに」と思った僕は恵比寿駅でMマネージャーに差し入れを買うことを言ったら、Mマネージャーからまさかの言葉が・・・「それはRさんに言われたからでしょ?だったら買わないでいいよ。そういうのは言われてじゃなくて自発的にやって初めて意味があるものだから」すごくないですか?これ16,7年前の出来事なのにすごく鮮明に覚えてるんです。その後の僕の人生に間違いなく影響を与えている言葉です。もちろん差し入れ以外のことに関してもこの言葉は活きています。Mマネージャー大好きです。

そんなわけで舞台の話を。本読みも終わり次の日から本格的な稽古がスタート。正直言うと最初ちょっと舐めてる部分ありました、僕。いくらなんでも稽古毎日全部出る必要はないだろうと思ってたんです。そしたら5,6役やることになったもんだから、出ないシーンの日が全然ないんですよね。ありがたいことなんですけどね。ちょっとはバイトする時間もあるだろうなんて思っていた僕ですが、気付いてみたら毎日稽古場に通う毎日。ただ、当時の僕にとってこの日々ってもうすごくすごくおもしろかったです。まさに幸せを今感じているって感じで。僕からしたら皆さんが先輩状態なんですが、やっぱり上手いし面白いんですよね。気付いたら休みでいいって言われた日も稽古場に行って稽古を見てるようになってて。自分としては楽しくてやってただけなんですが、座長もそんな僕をすごくかわいがって下さるようになって。この作品は記念公演ということもあって、スケジュール無理やり出てるベテラン俳優もたくさんいて、なかなか稽古に出れない人もいて毎日誰かしらいない状態で。もうなんていい機会だと思って、人のセリフ入れて代役やらせてくださいって毎日手挙げてました。なんでも吸収してやるって気持ちになってたし、なにより楽しかったし。

おっさんみたいなこと言うと、最近の若い役者ってアンサンブルの子とか稽古で全然代役やりたがらないからちょっとびっくりなんですよね。いい機会なんだからやればいいのになって思っちゃう。ピリピリしてる現場だとやりづらいのもわかるけど、そうじゃない時とか特に。時代なのかな。めっちゃおっさん発言だな(笑)

そして僕がF君にお世話になっていたのはお芝居以外には、舞台の用語。上手(かみて)か下手(しもて)もわからない素人状態で入ってますからね。F君に毎回聞いて快く教えて下さってました。でも僕は今までの芸歴で映像の方が断然多いので、未だに舞台用語知らないの多いです。演劇人に囲まれる現場は何気に肩身が狭かったりもします(笑)稽古場とかで舞台監督さんが、ここは何尺で~とかここはやおやで~とかここは何寸で~とか説明してくれるんですが、なるほでねぇって顔してますがぶっちゃけ未だによくわかってないです、ごめんなさい(笑)

そんなわけで、楽しく刺激的に初舞台の稽古は進んでいったのでした。

次回に続く・・・。

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